もう一曲、取り上げたいユーロビート曲がありまして、、、もう少しお付き合い下さい。
松本典子さん、「清純派」のこの人までもがユーロビート路線に挑戦してました。
それが今回ご紹介の「KEEP ME HANGIN' ON」。

正直、彼女には全く似合わない路線。
歌唱力というか表現力がそこまで無いからか(?)、色っぽさも感じられず。どうしてこんなの出したの〜ってな感じ。ここまできたら、誰でもいいから一発出してブームに乗っちゃえみたいな?
この曲がA面で、B面は邦楽カバー「パステル・ラブ」。TVではB面の方がよく歌われていたと思う。実際「パステル・ラブ」は彼女のイメージや世界観にマッチしてたので、いい仕上がりだった。
普通は「パステル・ラブ」をA面にすると思うけどねぇ。
さて、同じ曲をカバーした人がもう一名おりました。その人は山本理沙さん。
「山本理沙って?」っていう人がいたら、「”セーラー服反逆同盟”に出てたあの人」と言えば思い出、、、さないか。
「セーラー服反逆同盟」といえば仙道敦子?
「真面目にやってます?」って突っ込み入れたくなるような「爆発頭と変なメイク」だった人ですが、ピンときますかね。

山本版は松本版に比べ本格的。美形のちょいと色っぽいねえさん的な山本理沙が、声量たっぷりノリノリで、迫力満点に迫ってきます。

少々この二つの曲を比較してみると、
松本典子版は1987年4月22日発売、山本理沙版は1987年4月21日発売。たったの1日違い!
松本典子版は「KEEP ME HANGIN' ON〜誘惑を抱きしめて〜」英語表記の日本語クレジット付きですが、山本理沙版はカタカナで「キープ・ミー・ハンギンオン」。
そして歌詞を見比べると、世界観が全く違う事が分かります。
松本版
♪誘惑のパラダイス 抱きしめてDancing Heart
あなたの魅力に ほらKEEP ME HANGIN' ON
Love me to paradise もっと刺激してよ
夢中にさせるの ほらKEEP ME HANGIN' ON
山本版
♪抱きしめないで その気じゃないなら
目の前から消えて キープ・ミー・ハンギンオン
追いかけないで 愛してないなら
苦しむだけだわ キープ・ミー・ハンギンオン
松本版が「恋愛初期」の「もっと私を楽しませてよ〜」ってな幸福感。
山本版は「恋愛末期」の「もう騙されないわよっ」みたいな悲壮感。
松本典子はその後10か月シングルを発売出来ませんでした。
山本理沙はこれがラストシングルとなりました。
前々前回の橋本実加子もラストシングル、前々回の真弓倫子は事務所との契約終了となったし、ユーロビート路線の不成功って案外怖い…